喜一澤について

帆布カバン「喜一澤」は

「喜一澤」とは
 帆布カバン「㐂一澤」は一澤喜久夫を代表として、平成二十二年(2010年)七月七日、帆布カバンの製造販売を始めた店です。
 㐂一澤(㐂は喜の草書体)は100余年前の明治時代に帆布加工業を始めた初代、曾祖父・一澤喜兵衛の㐂、三代、父・信夫の若い頃の通称名、㐂一の㐂、そして喜久夫の㐂をとって名付けたものです。(ちなみに二代目は常次郎。)
伝統的なこだわり
 帆布カバン「㐂一澤」の製品は伝統を守り上級帆布を使用し、テープ・金具・ファスナーにいたるまで厳選した材料でひとつひとつていねいに縫製し、丈夫で長持ちするものに仕上げています。そして必要なものは付けても不要な飾りは付けないことで、無駄のない使い易い製品になっています。また、それがデザイン的にも機能美になっています。
 そして、お使いいただいた製品は年数を経たものでも、傷んだところがあれば可能な限り修理させていただいております。
競い、文化を大切にしてきた歴史
 一澤の戦前からの職人用道具袋等の製作、戦後の山岳テント・リュック、京都大学各研究所の依頼品、トラックシート・日除けテント等々の帆布加工技術を生かして、1970年代から80年代前半にかけて先代一澤信夫と喜久夫がデザインと職人への製作指導を競い、布地袋は“やわい”といわれていた一般向きの物でも多種にわたる質実剛健な帆布カバンを先駆的に製作し確立しました。
 また、喜久夫が1973年製品には英語のネームタグを付けるのが普通の時代に漢字の名称・地名入りの枠付きネームタグを当時の一澤のハンコを基に考案しました。
 そして、「帆布」と言う言葉はキャンバス地と言い変えられテント・シート業界ですら使われなくなり、一般には死語となっていたものを先代と喜久夫のデザインの帆布の字入りのネームタグの付いた一澤のカバンが少しずつ信用を得て使われることにより、また、マスコミに多く取り上げられて、世間に「帆布」という言葉が認知されるようになりました。
歴史
「喜一澤」への想い
 先代の「しょうもないもん(物)はつくりなや」を守り、チャラチャラしたものではなく丈夫で長持ち使い易いをモットーに、一からボチボチではありますが、「さすが㐂一澤」といわれるよう日々努力し、製作しております。実物をご覧になって今では全国に幾つもできた帆布カバンの他社製品とよくお比べいただくようお願いいたします。
 今までの努力の積み重ねを二度もすべて失うという憂き目にあって、またまた、何もなくなった一からの遅い出発ではありましたが、お引き立てご愛顧のほどお願いいたします。
想い